
ミュージアム広場にあるStedelijk Museum Amsterdam(アムステルダム市立美術館)は、現代アートとデザインを一度に味わえる美術館です。国立美術館やゴッホ美術館のすぐ近くにありながら、館内は落ち着いていて歩きやすく、初めてでも迷いにくい導線が整っています。わたしは何度か訪れていますが、展示は季節ごとに少しずつ入れ替わるので、リピーターでも新しい発見があり、常設で流れをつかんでから企画展へ進むと全体像が見えやすくなります。ベンチの配置や表示も親切で、小さな休憩を挟みながら作品の前に立ち止まれるのが良いところです。アムステルダムで現代美術を見たい日に、予定に組み込みやすく、友人に勧めやすい一館だと感じています。
1. アクセスと基本情報
アムステルダム市立美術館はミュージアム広場の一角にあります。開館は年中無休の毎日10:00–18:00です。チケットは公式サイトで購入でき、2025年10月現在で大人一人22,50ユーロです。ミュージアムカードを持っている場合は予約不要・入場無料です。
ロッカー(無料)とクロークがあり、A4サイズまでのハンドバッグは持ち込み可。それ以上の荷物や傘、飲食物は預け入れになります。展示室は歩きやすくベンチも適度に配置されているので、荷物を預けて身軽に回るのがおすすめです。
2. 常設展のおすすめ

入館したら、いつも最初に左手の部屋へ向かいます。展示は常設でありながらも時期で少し入れ替わりますが、日本でも人気なモネ、シャガール、ゴッホなどの作品に出会えます。特に気に入っているのは、ヤン・スレイテルス(Jan Sluijters)の『Bal Tabarin』です。踊っている人々の表情や動きが生き生きと描かれていて、何度見ても良い絵だと思います。私はルノワールのダンス三部作が好きなのですが、この作品にも同じような楽しさがあり、ついつい足が止まります。


3. 企画展の印象——カレル・マルテンスの日
訪問日は、グラフィックデザインのカレル・マルテンス(Karel Martens)の企画展が開催中でした。作品そのものの色使いや構成も面白いのですが、本人や支える人々の考えを紹介するドキュメンタリー映像が特に心に残りました。大きな空間で、ソファーに寝転びながら映像を楽しむことができ、出入り自由です。作品の背景を知ると、展示全体が理解しやすくなります。アムステルダム市立美術館はこうした企画展の質が高く、常設と合わせて見ると満足度が上がります。
4. 所要時間と混み具合

わたしは何度も通っているので、流れが分かっていれば一周はおよそ1時間で見切れます。初めての方や、解説を読み込みながらじっくり進みたい方、カフェにも寄りたい方は2時間あると余裕があります。
混み具合は季節や企画展の内容で変わりますが、体感としては過度に密集することは少なめです。午前10時台の入館は特に歩きやすく、作品の前で立ち止まっても気まずくなりにくい時間帯でした。写真を撮りたい方にとっても、人が映り込みにくい朝イチが快適です。
館内はベンチが適度に配置され、通路幅もゆったりしているので、疲れたら数分座ってから次の部屋へ進めます。表示も分かりやすく、地図を頻繁に確認しなくても迷わず回れました。
5. カフェとショップ

カフェは、窓際の席の景色が良く気に入っています。ホットチョコレートとタルトの組み合わせは安定していて、鑑賞で少し疲れたときの糖分補給にちょうど良いボリュームです。閉館の一時間前にはラストオーダーが締まるので、カフェに寄る前提なら見学を少し前倒しにしておくと安心です。
ショップは書籍・ポスター・ポストカード・雑貨まで幅広く、アート寄りの本に加えてデザインやタイポグラフィの棚が充実しています。気になった作家の図録を一冊だけ、あるいは小さめのポスターを一枚——持ち帰りやすいサイズが多いので、旅程の途中でも選びやすいのが助かります。荷物が気になる場合は、ロッカーを活用して手ぶらで回る→最後にショップの順にすると、選ぶ時間も落ち着きます。

6. まとめ
アムステルダム市立美術館は、現代アートとデザインを無理なく一本で見られる美術館です。展示は少しずつ入れ替わるため、リピートしても飽きにくいのが良いところです。
初めての方は、所要1.5〜2時間を見ておけば安心です。朝イチ(10時台)は歩きやすく、ロッカーで荷物を預けると鑑賞に集中できます。混雑を避けたい日は、午後遅め(16時前後)も見やすい時間帯でした。次に行くときも、わたしは同じ順路で入り、ヤン・スレイテルス『Bal Tabarin』の前で足を止めると思います。
ちなみに、アムステルダム市立美術館はミュージアムカードで無料入館できます。
まだカードを持っていない方や、旅行者でも使えるの?と気になった方は、こちらの記事に詳しくまとめています。