オランダ暮らしログ|旅と日々のまにまに帖

オランダ在住者による、暮らしと旅行の情報ブログ。現地生活のこと、観光スポット、旅の記録を綴ります。

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【参加レポ】OBA Taalcafé|オランダ語A1–B1向け・無料の会話練習90分

オランダ語の独学だけだと、語彙は増えるのに声が出ない。その課題を解消するために、「オランダ語を使う日」をつくることにしました。短い文でも構わず口に出す90分——その練習の場として、図書館のTaalcaféに通っています。

OBA(アムステルダム市立図書館)のTaalcaféは、オランダ語の授業ではなく「話して慣れる」ための場です。参加は無料・予約不要で、図書館の会員でなくてもOK。小さなテーブルを囲み、ボランティアと参加者がテーマに沿って順番に話す——そんな気軽なセッションが続きます。レベル感はおおむねA1〜B1で、言い淀んでも英語に逃げる前に言い換えや発音のヒントをもらえるので、初回でも置いていかれません。わたしはこれまで2回参加し、テキスト学習とは別に「声に出す90分」を定期的に確保する場所として通っています。毎回、自己紹介→その日のテーマというシンプルな流れで、負担が軽いのに楽しく学べるのが気に入っています。

oba.nl

独学+会話の両輪で進めたい方は、語学学校レビュー(UvA Talen)も参考にしてください。基礎を教室で固め、Taalcaféで無料・予約不要の会話練習に回すと定着が早いと思います。

holland-life.com

1. 会場と進め方(午後の回・90分のイメージ)

会場は一ヶ所ではなく、アムステルダム市内の各OBA(市立図書館)で開かれています。Taalcafé開始の数分前に部屋へ入ると、小さめのテーブルがいくつか並び、各テーブルにボランティアが1〜2人ついています。到着順に空いている席へ座り、もし人数が多いであればレベルベルにグループに分けられて簡単な自己紹介からスタート。その日のテーマ(例:週末、食べ物、音楽など)に沿って、一人ずつ短く話す→質問が返るという往復を重ねていきます。発音や語順でつまずいたときは、英語に切り替える前に言い換え候補や言い出しの型をそっと示してくれるので、初回でも置いていかれる感じはありません。後半はカードやボードを使った話題づくりなど、手を動かしながらの会話になることもあります。聞き取れなかったときは「もう一度お願いします」「別の言い方で言うと?」とその場で頼るほうが、会のテンポに乗りやすかったです。

ちなみに、会場の飲み物やお菓子は自由に食べて構いませんし、各自で用意している人もいます。わたしはお茶を水筒に入れて持って行っています。

 (1) 1回目の練習ログ(参加者12人/2グループ)

この日は参加者が12人。入室後にレベル感を確認して2グループに分かれ、各テーブルにネイティブのボランティアが1〜2人つきました。私は初心者側へ。最初は自己紹介からゆっくり始まり、ボランティアが「Waar kom je vandaan?」「Wat doe je?」と、答えやすい球を投げてくれます。言葉が詰まったときは、英語に切り替える前に「Bedoel je … ?」と確認を挟んでくれるので、輪から落ちる感じがありません。

その日のテーマは「音楽」。好きなジャンルや、演奏したことのある楽器を順番に話しました。後半はテーブルに並んだ楽器のイラストを見ながら語彙を確認しました。

印象的だったのは、ボランティアの方の言い換えの入れ方です。単語が出てこないときに「Zoiets als…(〜みたいなもの)」と別表現の取っかかりを渡してくれるので、会話が止まりませんでした。

 (2) 2回目の練習ログ(参加者7人/1グループ)

二回目は7人と少人数で、1グループでの進行。ネイティブの方が2人入り、自己紹介のあと、テーブルのボードゲームを使って進めました。コマが止まったマスに「Eten」「Weekend」「Film」などのテーマが書かれていて、出たお題について順に話します。テンポは初回よりもやや速め。周囲の語彙が豊富で、正直ついていけない場面もありました。

聞き取りに不安があるときは「Kunt u het herhalen?(もう一度お願いします)」「Langzamer alstublieft(ゆっくりお願いします)」とその場でヘルプをお願いします。文が崩れてもボランティアが「Je kunt ook zeggen…(こう言ってもいい)」と言い換えの型を示してくれるので、会話が立ち上がり直します。終盤にはこちらの口も温まり、参加している手応えがありました。新しい単語などはメモをしておいて、帰宅してから復習もしています。

2. 所要時間・混み具合・体感負荷

枠はおよそ90分。入室して着席、自己紹介で場を温めるところから始まり、その日のテーマに沿った会話を進めます。

混み具合は日によって差があります。人数が多い日はテーブルが分かれてゆっくり進行、少ない日は一つの輪でテンポが上がる、という違いがあります。いずれのパターンでも、一人一人が話す機会が均等になるようにボランティアの方が場を回してくれます。

終わる頃には頭に軽い疲労感があり、単語を探して言い直す→言い換える→もう一度言うという往復が集中力を使うのだと思います。でも、「やっぱり上手くなりたい・話せるようになりたい」とTaalcaféに行くたびに思います。

3. 学習メモ:初回〜継続のコツ(わたしの場合)

2回目の参加では、アムステルダム市750周年を記念した本をいただきました。各イベント情報なども知ることができます。

最初の準備は、背伸びをせず3つの話題だけ決めておくのが合っていました。仕事、住んでいる地域、週末の予定。内容はむずかしくなくて大丈夫です。大切なのは、短い文で言い切る練習を家で一度しておくこと。たとえば「わたしは〜で働いています」「今は〜に住んでいます」「週末は〜に行きます」と、3〜5文を口で言ってみるだけでも、当日の最初の一巡が楽になります。完璧な文を目指すより、短い文を重ねるほうが通じやすい、と何度か通って実感しました。

単語が出てこない場面では、沈黙の前に言い換えに頼るようにしています。便利なのは「Het is zoiets als …(〜みたいなものです)」という言い出し。近い概念を先に出してから説明すると、ボランティアが適切な単語を提案してくれることが多く、会話が止まりません。もう一つは「Ik bedoel …(言いたいのは…)」と言い直しの合図を自分から出すこと。うまく言えなかった一文でも、合図を置くと相手が待ってくれるので、言い切るところまで行けます。

終わってからはメモ帳を見て、新しく出てきた単語を復習します。「次回はこう言おう!」と段々レベルアップしていくのが自分でも分かって楽しいです。

家では語彙と発音の素振り、会話の現場では短文で回す。この分担が合っていました。素振り用のツールは、アプリ比較記事(2025年版)にまとめています。

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4. まとめ:習う日と、使う日を分けてみる

Taalcaféは、参考書で覚えたことを実際の会話に移すための場所でした。雰囲気はおだやかで、参加者のレベルが混ざる日でも、ボランティアの進行で居心地が保たれるのが助かります。うまく話せない回があっても、予約不要・無料だからこそ次の回に気兼ねなく行ける。わたしにはこの気軽さが、学習を続ける力になりました。

こういった取り組みは、アムステルダムのOBAだけではなく、各自治体でも独自のカリキュラムやイベントがあるようです。ご自身の家から近いところでオランダ語学習の場を探している方は、ぜひお住まいの自治体に問い合わせてみてくださいね。