オランダ暮らしログ|旅と日々のまにまに帖

オランダ在住者による、暮らしと旅行の情報ブログ。現地生活のこと、観光スポット、旅の記録を綴ります。

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リスボンから日帰りでシントラとロカ岬へ|霧に包まれた宮殿と断崖絶景の旅

リスボンから気軽に行ける定番の旅先といえば、やっぱり「シントラ」と「ロカ岬」。その名前を聞くだけで、ヨーロッパのおとぎ話に迷い込んだような風景が浮かびます。

私がこの2ヶ所を日帰りで訪れたのは、2025年5月初旬のこと。春のポルトガルらしい穏やかな気候を期待していたのですが…朝はまさかの濃霧。シントラの代名詞ともいえるペーナ宮殿は、すっかり霧の中に隠れてしまっていました。

当初は「ペーナ宮殿→ムーア城→ロカ岬→シントラ散策」の順に回る予定だったものの、天候を考慮して順番を変更。ロカ岬を先に訪れてから、午後にムーア城とシントラの街を歩くというルートに切り替えました。

バスの本数が限られていたこともあり、予定よりも効率よく回れなかったのが正直なところ。それでも、幻想的な霧に包まれたお城や、断崖から見下ろす大西洋の風景、そしてシントラ名物のスイーツとの出会いなど、忘れられない1日になりました。

この記事では、

  • 実際に訪れた順番
  • 交通アクセスと注意点
  • ランチやスイーツの感想
  • 所要時間と予算のまとめ

などを、体験談とともに詳しくご紹介します。これからシントラやロカ岬に行く予定のある方に、少しでも参考になりますように。

1. 1日のスケジュールと、変更のきっかけになった濃霧

この日は朝7時半にリスボン オリエンテを出発。まず目指したのは、カラフルな外観で人気の「ペーナ宮殿」でした。

ところが到着してみると、あたりは一面真っ白な霧。写真で見たあの鮮やかなファサードはまったく見えず…。庭園を散策する予定でしたが、断念。霧のなか静かにたたずむ宮殿の室内をゆっくり見てまわることにしました。

続いて訪れるはずだったムーア城も、濃霧ではあの断崖沿いの階段を登るのはちょっと危険。そこで予定を変更し、天気が回復しそうなロカ岬へ先に向かうことに。午後からは徐々に空が晴れ、絶景に出会うことができました。

その後、再びシントラに戻ってムーア城を訪れ、街中でスイーツを食べ歩き。ホテルに戻ってきたのは19時頃。詰め込みすぎたかな…と思いつつも、充実の1日になりました。

2. リスボンからシントラ・ロカ岬へ。アクセスと交通の注意点

出発地のリスボン・オリエンテ駅。

今回の出発地は、リスボン・オリエンテ駅。朝7時半に出て、直通の電車でSinta駅に到着しました。

シントラ観光ではバス移動が中心になりますが、注意したいのがバスの混雑と本数の少なさ。特に朝夕は観光客で大混雑し、満員で乗れないことも。私はバスを見送ることはありませんでしたが、次のバス停で待っている人たちが私の乗っているバスを見送ることになったことが一度ありました。

さらに、ロカ岬へ向かう1253番バスはクレジットカード非対応。Naviganteカードなら1.55ユーロ、現金なら2.60ユーロなので、naveganteカードにチャージしておくか、小銭を準備しておくのが安心です。

なお、私は「シントラ周遊パス(24時間有効)」を事前にオンライン購入していたのですが、バスの待ち時間が長く、4回しか使えませんでした。スポットを絞ってまわるなら、個別払いのほうが安く済むかもしれません。

シントラ周遊パスは現地で購入すると15ユーロです。オンラインで購入すると、13.50ユーロ、もしくは日によっては11.47ユーロで購入できます。

3. 霧のなかのペーナ宮殿と、高所注意のムーア城

あいにくの天気で霧に包まれるペーナ宮殿。

シントラ観光で最初に訪れたのはペーナ宮殿。霧に包まれた幻想的な景色も美しかったですが、やっぱり晴れている日にもう一度訪れたいと思いました。

室内はとても豪華で、天井や壁の装飾、家具の細かな意匠に見とれてしまうほど。外観は見えなかったものの、建物内部だけでも訪れる価値は充分でした。

豪華な宮殿の中。チケットを持っていても宮殿内に入るには30分ほど並びます。

どこを切り取っても煌びやか。

お昼頃には霧も少し晴れ、遠くまで見渡せるように。

一度シントラを離れ、午後に戻ってきたムーア城では、高所が苦手な私にとって、あの崖沿いの石段はちょっとスリリングすぎるコース…。途中で引き返しましたが、入り口から進んで右手側にある別ルートを通れば、より緩やかに高台まで登ることができます。

チケットは事前にGetYourGuideから予約していたため、当日はスムーズに入場できて助かりました。

この写真を撮った右手の高台までは緩やかなコースあり。
写真で見えている(左手の)高台までは急なルートのみ。

風が強いので高所恐怖症には苦行です。手すりがない場所もあるので無理せず。

4. ランチとスイーツ。シントラで食べたいものたち

日本のタコよりも筋肉質で「白身魚」を食べている感覚でした。

この日のランチは、人気店「Incomum by Luis Santos」へ。予約なしで12:30に訪れたところ、「予約があるので14時までならOK」と案内されました。他にも数軒訪れましたが、すべて予約で満席。人気のレストランは予約しておくのがベターです。

注文したのは「タコのグリル」。タコの下にはオレンジ色の甘いさつまいも。甘みが絶妙で、白ワインとの相性もばっちり。料理の提供も10分以内とスムーズでした。

incomumbyluissantos.pt

Casa Piriquitaのトラヴセイロとケイジャーダは持ち帰りました。

デザートは、シントラ名物のスイーツを2軒はしご。まずは「Casa Piriquita」で、ふわふわパイ生地のトラヴセイロ(Travesseiro)と濃厚なチーズ入り焼き菓子「ケイジャーダ(Queijada)」をテイクアウト。

トラヴセイロは外はサクサク、中はとろっと香ばしく、甘いけどもう一個いける美味しさ。ケイジャーダは小さくても濃厚!後にもう一個食べたものよりも甘さはないけれど、それでも甘い。シナモンが結構効いてました。

piriquita.pt

Aurora Queijadas de Sintraのケイジャーダ

次に「Aurora Queijadas de Sintra」ではケイジャーダをその場でいただきました。店内はお客さんが少なく、ゆっくりするのにちょうど良かったです。歩き疲れた身体にちょうどいいご褒美でした。

www.instagram.com

5. ロカ岬へ。大西洋を望む断崖と旅の証明書

ロカ岬へ向かうバスは、一番前の席に座ると風景を楽しめます。

午後はロカ岬へ。シントラから1253番バスに乗って約45分、海と断崖の絶景スポットに到着です。

滞在時間は30分ほどと短めでしたが、風の強さと空の広さ、そして断崖に打ち寄せる波に、心がスッと洗われるような気分になりました。

記念に「ユーラシア大陸最西端到達証明書」を11ユーロで購入。クレジットカード、現金のどちらも使えます。申込書に自分の名前、2タイプある証明書のどちらを購入するのかをチェックし、受付の方に渡します。自分の名前入り証明書はA4より少し大きめのサイズ。ちょっとした旅の宝物になります。

自分の名前入りの証明書。2つのデザインから選べます。

ロカ岬の先端に降り立ってみた景色は絶景です。

6. まとめ|費用と所要時間、そして次は泊まりで

この日のプランをざっくりまとめると、こんな感じになります:

  • 出発:朝7:30 ホテル出発
  • 帰着:夜19:00 ホテル着
  • 移動費:約20ユーロ(電車・バス)
  • 入場料:約25ユーロ(ペーナ宮殿・ムーア城)
  • ユーラシア大陸最西端到達証明書:11ユーロ
  • 食事・スイーツ代:約30ユーロ(ランチ+スイーツ2種)

合計:約86ユーロ前後

次に行くなら、1泊してもう少しゆっくり楽しみたいなと思いました。ペーナ宮殿の庭園やレガレイラ宮殿、シントラの街歩き…。まだまだ見足りない場所ばかりです。

 

霧やバスの混雑など、予想外の出来事もありましたが、それも含めて旅の醍醐味。シントラとロカ岬は、それぞれ違った魅力にあふれた場所で、何度でも訪れたくなるスポットです。

この記事が、これから旅立つあなたのお役に立てばうれしいです。どうか素敵な1日になりますように。

 

*おまけ*

シントラ行きの電車旅を楽しむぴかちゃん。