オランダで生活していると、体調を崩したときにまず頼るのが家庭医=ハウスアーツ(Huisarts)です。今回は、私が2023年から2025年前半にかけて、実際にハウスアーツにお世話になったときの体験をまとめました。既に書いた「ハウスアーツの探し方と予約方法」の記事ともあわせて、実例として参考になれば嬉しいです。
1. 不眠と中途覚醒で相談
オランダにきて半年経った頃、夜に全く眠れず、眠っても何度も起きてしまい、日中も強い眠気が続いていました。もともと市販のサプリメントを使っていましたが、あまり効果を感じられず、ハウスアーツに相談することに。
その時に登録していたのが予約は不要なハウスアーツだったため、朝イチ(朝6時)に直接訪問。待合室には受付がなく、1時間ほど待った後、順番が来ました。
英語で相談したところ、私が飲んでいたサプリメントは「この成分量では20粒飲まないと効かないくらい」と言われ、驚きました。その上で、1粒でもしっかり効くメラトニンを出してもらいました。これは自費でしたが、しっかりと眠れるようになり、相談してよかったと心から思いました。
2. 乾燥性皮膚炎のとき
冬の乾燥した時期、首元に肌にかゆみと赤みが出てしまいました。特にひどくなって寝るのにも痒くて眠れない...となった時にハウスアーツへメールを送り、予約が取れないことも想定して患部の写真も添付しました。予想通り診察は不要とのことで、写真だけで医師が確認し、痒み止めのクリームを処方してくれました。
薬局に処方箋が送られ、翌日には自分の登録薬局で受け取れました。ちなみに薬局によっては無人の自動受け取りボックスもあり、誕生日と予約コードを打ち込むだけで受け取れる仕組みもあります。
処方されたクリームは自費でしたが、塗った翌日にはかゆみが引き、1週間で赤みもほぼ消失。「診てもらえないかも」と思いながらも連絡してみて本当によかったです。
シャワーは週に2回まで、という指示も出ましたが、これだけは無理でした。(毎日シャワーを浴びてもクリームを塗れば治ったので、結果よかったです。)
3. 目にものもらいができたとき
目が腫れぼったくなり、痛みも出てきたので「ものもらいかな」と思い、ハウスアーツにメールで相談しました。ハウスアーツのアシスタントから電話をもらい、アドバイスを受けたのですが、「目を温めてマッサージして」と言われるだけで薬の処方はナシ。
日本では抗菌目薬が定番だったので、この対応には少し驚きました。ただ、数日経って自然と治ったので、これがオランダ流の「まず様子を見る」スタンスなのだと実感しました。
4. オランダで診察を受けるときのポイントまとめ
今までハウスアーツにお世話になった経験をもとに、ハウスアーツに連絡を取るときのポイントをまとめました。
◾ 症状の具体的な説明がカギ
「いつから・どんなふうに・どのくらい困っているか」を事前にまとめておくとスムーズです。メールで予約をするときには、患部の写真を添付すると早く対応してもらえることがあります。
◾ 予約方法や待ち時間
登録していたハウスアーツは直接訪問できたため、緊急時には便利でした。現在はメール予約型のクリニックに変更していますが、一度もハウスアーツにかかる予約が取れたことはありません。
◾ 医師の対応と言語
英語でのやり取りでも、簡単な表現を選んでくれる医師が多く安心感があります。翻訳アプリを併用することで、より確実に伝えられます。
◾ 保険適用と自己負担
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診察代:健康保険でカバーされる
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薬代:自己負担(€385の免責範囲までは全額自己負担)
5. おわりに
「これくらいの症状で相談してもいいのかな…?」と迷ったときこそ、ハウスアーツに連絡してみてください。たとえ直接診察できなくても、メールや写真での判断・処方が可能なケースも多いです。
風邪は自分で治すのが前提のオランダ医療。ポカリスエットの粉末やゼリーなど、日本で馴染みのあるものはあらかじめ用意しておくと安心です。期待しすぎず、でも頼れるときには頼る。そんな心構えでいると、オランダの医療とうまく付き合っていけるのではないでしょうか。
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