オランダ暮らしログ|旅と日々のまにまに帖

オランダ在住者による、暮らしと旅行の情報ブログ。現地生活のこと、観光スポット、旅の記録を綴ります。

MENU

ヒルトップ完全ガイド|ピーターラビットの世界が広がるビアトリクス・ポターの家を訪ねて

イギリス・湖水地方にある「ヒルトップ(Hill Top)」は、絵本『ピーターラビット』の作者、ビアトリクス・ポターが暮らしていた家。実際に作品の舞台となった風景を目の前に見ることができ、ファンなら一度は訪れてみたい場所です。

この記事では、2025年6月に訪れた体験をもとに、アクセス方法から見どころまで、ヒルトップを楽しみ尽くすための完全ガイドをお届けします。

※この記事ではヒルトップの見学に特化してご紹介しています。旅行の全体スケジュールや周辺観光については、こちらのまとめ記事をご覧ください

holland-life.com

1. アクセス方法|徒歩+フェリーでのんびり向かう

ボウネスのフェリー乗り場(Bowness Ferry Nab)

私が訪れたルートは、ウィンダミアからボウネスへ移動し、そこからフェリーで湖を渡るルート。ボウネスのフェリー乗り場(Bowness Ferry Nab)は観光地の中心からやや外れており、「合っているのかな?」と思うような閑静とした道路を15分ほど歩くとたどり着きます。

フェリーは車や自転車も乗れるタイプで、対岸までは約10分。船を降りた後は徒歩で約40分かかります。道中には店もほとんどなく、起伏のある道路を進むため、体力に自信のある方向けです。現地で自転車もしくは車を借りるか、タクシーを使うとより楽にアクセスできます。

また、ホークスヘッドからも徒歩40分ほどでアクセスが可能ですが、こちらも公共交通機関は通っておらず、同様の手段が必要です。

2. チケット予約と混雑状況

ヒルトップの隣の建物で、チケットを入場トークンに引き換えます。

ヒルトップは人気の観光地のため、事前予約が必須です。公式サイトから簡単に予約でき、私が訪れた2025年6月時点では、大人1名あたり£17でした。入口には『事前予約のみ』の看板もあり、当日予約なしでの入場はできません。下記の公式ウェブサイトよりチケットを購入できます。

www.nationaltrust-tickets.org.uk

朝10時の開館と同時に訪れましたが、すでに何人か並んでいました。館内はこぢんまりとしていて、写真を撮るとどうしても他の来場者が写り込みます。人が少ない瞬間を狙うには、入場後すぐに行動するのがポイントです。

3. 見どころ|絵本の世界がそのままに

庭から見るビアトリクス・ポターの家も絵本の背景です。

ヒルトップの最大の魅力は、絵本の中に描かれた風景やインテリアがそのまま残されていること。絨毯の柄、お皿の模様、窓辺の風景まで、細かいところまで一致していて感動します。

絵本の中のネズミたちが階段に向かう姿が思い浮かびます。

館内にはビアトリクス・ポターのラフスケッチも展示されていて、創作の裏側を垣間見ることもできます。作品ファンにはたまらない空間です。

ビアトリクス・ポターが書いたスケッチなど、貴重な展示品の数々。

また、スタッフの方に「家の中に9匹のネズミが隠れているよ」と教えてもらい、館内を2周して5匹を発見。ぬいぐるみや絵、装飾など、まるで宝探しのような楽しみがあります。

4. お庭とニアソーリーの村も必見

ヒルトップに咲くカラフルな草花。

ヒルトップの外には、色とりどりの花が咲く美しい庭が広がっています。ピンクや黄色、紫など、ビアトリクス・ポターが好きだった花々に囲まれて、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。

さらに、敷地の外にあるニアソーリー村の中にも、絵本に登場する風景と同じ場所が点在しています。ただし一部は一般の住宅となっており、プライバシーへの配慮が必要です。写真撮影は控えめに。

絵本の中ではこの塀の上に猫ちゃんが乗っていました。

5. カフェ・お手洗い・ショップ情報

かわいいピーターラビットのグッズたち

ヒルトップには小さなカフェ(キッチンカー形式)とお手洗いがあります。お手洗いはコンパクトながら清潔で安心。カフェは天気が良ければガーデンのベンチで優雅な時間を過ごせますが、雨天時には屋根のある場所がなく長居は難しいかもしれません。

ショップは想像以上に充実していて、キッチン雑貨、文房具、ベビー用品、化粧品、ポストカード、レターセットなどなんでも揃っています。私が迷ったのはピーターラビット柄のティーカップとソーサー。帰りの飛行機の荷物はリュック一つにまとめないといけなかったため断念し、代わりにキーホルダーを購入しました。

価格は街中で買うピーターラビットグッズよりもやや高めですが、旅の思い出と一緒に持ち帰るにはぴったりのお土産が見つかります。

6. お隣のパブでランチも|Tower Bank Arms

このお店の外観もビアトリクス・ポターの絵本に登場します。

ヒルトップのすぐ隣にある「Tower Bank Arms」は、ビアトリクス・ポターの絵本にも登場するパブ。木のぬくもりを感じる内装と地元食材を使った料理が楽しめます。私はここでランチを取りましたが、静かで落ち着いた雰囲気のなかでゆっくり過ごせました。予約不要ですが、混雑時は入れないこともあるのでご注意を。

7. 滞在の注意点とアドバイス

  • 体力に自信がない方はレンタサイクルやタクシーの利用がおすすめ
  • スマホの電波が入りにくいので、地図は事前にダウンロード
  • 雨具と歩きやすい靴は必須
  • 写真撮影は他の来場者や住民への配慮を忘れずに

8. まとめ|絵本の風景に出会える特別な場所

ピーターラビットが背伸びをして郵便を投函していたポスト。

ヒルトップは、ただの観光地ではなく、ビアトリクス・ポターの世界に自分の足で入り込める場所です。絵本を読んだことがある方なら、きっと「あ、この景色知ってる!」と心が震える瞬間に出会えるはず。

静かな村にひっそりと佇むこの家で、物語の余韻にひたる時間は、とても贅沢で、心に残る体験でした。